冷し中華みたいなもんです

2015年08月03日
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メディアサービスグループのジョウチです。
毎日おっそろしいぐらい暑いです!夏ですね!!

そんな夏にうってつけの避暑地は実は美術館です。
京都市美術館「マグリッド展」に行ってきました。




ルネ・マグリットは20世紀に活躍した画家ですが、その傍らデザインの仕事も行っていました。
芸術家として活動しながら23歳で壁紙のデザインの仕事に就き、その後広告デザインなどを行っていきます。



超やべーですねー、マジカッケーですねー。

油彩画ではあるものの、ベタっぽい色面使いや構成的な画面などデザイン的な表現を行っているため、モダンな雰囲気もあります。
物販に彼の絵を表紙に使ったノートなどが売っていましたが、
ふつーにかわいくて買いたくなります!



マグリットが繰り返しテーマとしている言葉とイメージの関係など、思想的な部分もとんでもなく面白いんですが、
もうひとつ興味深いのが、
彼の作品が時代を経るごとにどんどんテイストを変えることです。

1920年代にはキュビスムやシュルレアリスムみたいな、その頃に出てきたイケイケな芸術の影響を受けまくり、どんどん写実的な細かい絵になってていきます。
しかし第二次世界大戦の頃には印象派のような、抽象的で明るい色彩の絵になっていきます。
印象派は、1900年よりも昔に盛り上がった芸術運動です。

1940年代にもなってナゼいまさら印象派、、感が正直します。しませんか?ぶっちゃけしますね。
ですがマグリッドがこの表現に行き着いたのも、実は戦争が起きた当時だからこそのようです。



社会状況によって人々が無意識に抱く欲求は変化します。

デザインの世界でも「そのデザイン、イケイケやな!イマドキやな!」と言われるようなものは時代の時々で常に変化しますが、そうなる根底には、人々の欲求の変化が理由としてある気がします。

震災後に広告の中で”絆”という言葉が溢れたり、やたらポジティブなメッセージやイメージが作られたのは、多くの人が生活の不安を感じ、安心したいという欲求を抱いたからだと思います。

デザインはこうやってその時代ごとに変わる人々のニーズをとらえていき、芸術は人々の欲求を反映することで社会を批評します。

マグリッドが大戦時に明るい色彩の絵画を描いたのは、不安な時代へのカウンターだと言われています。
印象派は絵の具を混ぜずに点描のように色を置いていくので色が濁りません。
明るい色彩を表現するには、印象派の手法が最適だったのです。
芸術家もデザイナーも企業も、時代の無意識なニーズを見続けなければなりません。精進します。


とかなんとか難しいこと言ってるようですが、

要は飲食店が夏に冷し中華はじめるみたいなもんです。なんの違いもありません。
うひゃー無性に冷し中華食べたくなってきました!なんか毎日暑いですしね!



マグリッド展は10月12日まで京都市美術館で開催されています。
http://magritte2015.jp

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